はるか日和

映画、ドラマ、漫画、アニメ、Amazonプライムについて話します。基本ネタバレあるよ!よろしくお願い致します。

イミテーション・ゲーム(2014)

★★★★★

【あらすじ】
時は1950年代。空き巣被害の通報を受けて警官が向かった先は、数学者アラン・チューリングの自宅であった。警官は空き巣とは別に、チューリングの挙動に不信感を抱く。
そこから解き明かされる、チューリングの過去。彼は英と独の戦時中、海軍の指揮下でエニグマの暗号解読をする秘密機関の一員であったー。
実話を元にアラン・チューリングを人生を描いた感動作。

【感想・ネタバレ】
素晴らしかったです。
実在したアラン・チューリングの人生を、幼少期・戦中暗号解読員期・戦後に分けてテンポ良く描いています。
物語の主軸には、独のエニグマ解読と、同性愛者差別があります。
エニグマとか戦争とか時代背景とか…正直とても難しかったです。そもそも知らない単語がいっぱい出てきました。携帯でググりながら頑張って見てましたが、中盤でちょっと心が折れて「くっ…こんな素晴らしい作品を…理解出来ずに終わるのか…私に学が無いばかりに…ッッ!!」って唇を噛みました笑
しかしチューリングの人生を描いているパートは飲み込み易かったし、最後はチューリングが愛しくて仕方のない状態で映画が終わったので、製作者の頭の良さに感謝しました。「ああ…ちゃんと頭の悪い客も感動できるよう作ってくれたのだな…」って笑

チューリングは最終的に、同性愛におけるわいせつ罪で有罪になり、ホルモン治療の末に自殺しています。41歳の若さでした。
当時の英では同性愛は罪であり、1885年から1967年の90年足らずで、49,000人の同性愛者が有罪になっています。
ここで投獄されるか、シャバでホルモン治療を行うかを選べるケースがあるのですが、チューリングはホルモン治療を選びました。当時の過度なホルモン治療は、身体機能や思考力に支障を与えました。
チューリングはあれほど頭脳明晰でパズルを得意としていたのに、そのホルモン治療の弊害でパズルを全く解けなくなります。これは自殺の大きな要因になったと考えられます。

チューリングは幼少期に恋した男の子が居ました。彼の名はクリストファー。いじめにあっていたチューリングの唯一の理解者でした。チューリングとクリストファーは、暗号のメモでよく会話をしていました。
そんなクリストファーは、幼くして他界してしまいます。チューリングは酷くショックを受けます。
そしてチューリングエニグマ解読のために作ったマシーンに命名したのもクリストファー。
チューリングエニグマだ戦争だってことよりも、クリストファーとずっと暗号でお話をしていたかったんですね。
そもそもチューリングが数学者を目指したのも、あの世でクリストファーとまた数学の話をしたい、って理由があったとの説があります。
純愛だーーーーーーーー!!!!!!
うあーーーー!!!!
これは…泣いた……

しかしチューリングは、大切なひとを守る時に、自分から突き放す方法をとるね。
クリストファーとの仲を問われた時も、婚約者のジョーンが危なくなったときも、まず自分から切り離そうとする。そんな演技がカンバーバッチくんは上手だね。
カンバーバッチくんは気難しくてEQ低い天才の役が本当に上手だね。愛さずにはいられませんね。

いやしかし1967年まで同性愛者が有罪だったっていうのに、2014年のドラマSHARLOCKでシャロとモリアーティのカップル説を唱えてくる腐女子が登場してくるのすごくないですか?時代の流れに感動を覚えます。しかもBBC(国営)ですよ?

LGBTについて話し出すと長くなるのでこの辺にしますが、
最近外国の映画やドラマを見始めて、やっとLGBT差別に実感を持ち始めました。
私は日本で育ったし無宗教だし、割りと若い時からLGBTの友人が周りにいたので、LGBT差別が存在するのを感じながらも「問題」としては感じていなかったんです。
なので、海外の作品でこれを目の当たりにする機会が増えた今、自分の世間知らずさを実感しています。

話が逸れましたけどこの辺で。
チューリングマシーンは現在のコンピューターの先駈けです。
名作なので是非見てください。
失礼いたしました。